デザインとしての装飾、デコレーションの持つ意味

お疲れさまです。7月1日です。今年も1年の半分が過ぎましたなぁという会話もそろそろ、始まりそうです。個人的にはGW終ってから仕事の密度は濃いままで推移しておりまして、通常の入稿作業からプレゼンまで、いろんなデザインを考えた(考えてる)時期です。

自分が関わるデザインというのは主に印刷物のデザインとwebデザイン、そしてDVD制作(映像制作)といったあたりです。関わりのないところで大きくは、工業デザイン(インダストリアルデザイン)、ファッションデザイン、ゲームデザイン、建築デザインといった分野があって、さらに細分化されたデザイン分野があるわけです。

例えばグラフィックデザイナーとひと言で言っても、パッケージデザイン、エディトリアルデザイン、広告デザインなどなどがあって、一生パッケージデザインの世界に生きて広告はやったことがないというグラフィックデザイナーもいるわけです。もっと言うとグラフィックと広告は違うという話もありまして、専門家でもその境界ってどこになるのか、クロスオーバーな今の時代だともう区分けすることに何の意味がある?といった状況でもあります。

漠然と「デザイン」で画像検索するとどんなのが出てくるんだろか。
デザインで検索結果
他のキーワードってところにファッションデザインや工業デザインって出て来ないけど、これは僕の普段の検索ワードにないからかな!?

一般的にデザイナーというとファッションデザイナーを思い浮かべるもんなんでしょうか!? 作家というと小説を書く人という思い込みがありますが、映像作家とか人形作家とか陶芸作家とか色々いらっしゃいます。そこであらためてデザイナーって何する人か?というと、そこに装飾やデコレーションを施す人ということになるんでしょうかね。

では、デザイナーと主に絵を描くアーティストとどう違うのかが、また一般の人々には理解されにくい部分なんだろうなぁと思います。その昔、私めがグラフィックデザイナーになると両親に伝えたところ、上野で似顔絵描く人になるんか!?くらいの認識でしたので…。まぁ、自分の仕事って人に説明しようとすると、その仕事が何であれ難しいモンですよね。

まだデザインという言葉が一般的でなかった時代、中世あたりで王様とか軍人さんが絢爛たる装飾とかデコレーションを身に纏う、あるいはど〜んとお城を築くというのは、その権威を誇示するためだったわけですね。ド派手な装飾で脅しにかかると言いますか、単にその部分で考えるとジャングルや海底に潜む毒を持った派手派手の生き物と変わらんではないかと笑ってしまいますが、人間も色やカタチで威圧する歴史があったわけです。

そう考えると日本も明治維新以降、将軍家もお殿様もいなくなりつい最近まで一億総中流と言われてたくらいなので、時代としてあまりド派手なデザインというのはかえって浮いちゃうって意識が働くのか、落ち着いたとかクールな感じとかのデザインが庶民的には好まれる時代なんでしょうか。ずいぶんざっくりなもの言いですが。

ちなみに王様で画像検索すると…
王様!?
王様も博士も大臣も、ずいぶん軽くなったのかなぁ(笑)王様で検索したら左の人が出て来ちゃって(大学の先輩ですが…)Kingで検索して出て来たのが右の人。

ここまで一体何の話ぢゃ!?ということですが、最近webデザインの話として『フラットデザイン』が出て来た、主流!?になりつつある、とかの話があちこちから聞こえて来るからですが、そもそもデザインって何だ?と考え始めると深くは哲学の領域になり、浅くはデコることですよ!で済んだりするわけですが、そうこうするうちに話が右往左往したわけです。

先日のアップル社の発表の中に、iPhoneの最新OSがついにフラットデザインに!なんて話が出てから、余計にふらっとふらっとと聞こえて来るのですが、どうもこの傾向に対して賛否あるようです。やれWinに屈したとか、ジョブズがいたらこんなデザインにはならなかったハズとかです。
iPhoneフラットデザイン提供:アップル社

この画像ではアイコンがフラットになったという部分での見本ですが、デジタルネイティブの世代も大人になって来て、アイコンが実社会の「あれ」をできるだけ具体的に表現しなくてもわかるようになって来ただろ!?な意味もあって立体感やリアリティーを排除してこうなった的な見解もあるようですが、どうなんでしょうか。

そもそもアイコン、ICON(イコン)ってのは宗教上の出来事を表したもののことで、現代ではこういうGUIの意味だったりします。

デザインというと表面的な流行の装飾やデコレーションのことと思われがちなのですが、デザインする側としては流行も取り入れつつ、意味のあるカタチにしないとダメなわけで、ムダを省いたシンプルなデザインってホントに難しいもんなんです。装飾を多くすることである意味、誤摩化しが効くのですが、それを省くということは誤摩化しが効かなくなるということですから。

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