印刷物とウェブサイト制作物の納品の仕方、その違いとその後の扱いについて

グラフィックデザインとwebデザイン

仕事として印刷物の制作とweb制作の両方をやるようになって10数年経ちます。思えば印刷物制作では定規、カッター、ロットリング、ペーパーセメントなどを利用した手作業から、Mac+adobeアプリケーションによるデジタル制作手段に変わる時期を経験し、その後追ってwebが世に出回り始めてから、web制作も手がけるようになって今に至ってます。

デザイン制作プロセスイメージ *PAKUTASOからお借りしました。

印刷物の制作手段においては、ここ数年そんなに劇的な変化は起きていないように思われますが、web制作においては日進月歩というか、新たなサービスやハードの出現、それぞれのヴァージョンアップに対応すべく、休む暇もないと言ったところです。

印刷物とweb制作の両方を手がけていて時々思うことがあります。

多くの担当者さんは、納品に関して、web制作物も印刷物同様、決めた期限までに納品すべし(納品したらおしまい)というのが基本的な考え方としてあります。

そんなの仕事なんだから当たり前ではないかっ! という声が聞こえてきますw

もちろんそりゃそうです。ことwebに関しては期限を決めておかないと、いつまで経っても日の目を見ることなく、いずれそんな話あったっけ!? くらいのレベルで消えてしまうことだってありえます。

やはり制作のためのタイムリミットは必要です。

タイムリミット納期 *PAKUTASOからお借りしました。

印刷物制作とwebサイト制作の違いは、印刷物は納品したらそれでもうそれ自体に追加修正を加えられないので、おしまいになります。時々納品してから間違いに気がついて騒ぎになることがありますが、避けたいところです。

一方、webサイトに関しては納品してから、つまり公開してからでも、修正したければいつでも修正することができます。

この違いを意識出来てる出来てないが、結構大きいのではと思っています。

つまりweb制作においては、印刷物と同じように納品したらそれで完了、おしまいと考えてしまうのは違うということです。

webサイトはむしろ納品・公開してからがスタートです。なので、個人的には決めた納品日に100%完璧な状態で納品を目指さなくてもいいとさえ、思っています。

先にも述べたように、納品日については一定の期限を設けた方がいいに決まってます。

そしてその期限までに最低限、トラブルの元になりそうなことは確実にクリアしておき、70%くらい出来上がっていれば納品日に公開しちゃっても構わない…くらいのスタンスです。とはいえ、僕は真面目なのでほぼ90%くらいの完成度にしてますけどw

なので、2019年春から賑やかになってきたスマホによる決済アプリ、ナントカPayに関して、ある大手コンビニのサービスが穴が多くて乗っ取りやなりすましの被害が出たというニュースを目にするにつけ、あ〜これは納期の問題でもあったのかなぁと思ったりするわけです。

かつて経験した大手〜中堅のコンペ仕事は大変だったことが多かった

大手〜中堅の仕事となると、最初の見積り出しからそのコンペに関する取り決めなど、いろんな規定があって正直面倒だなぁ、その作業必要!?と思うことよくあります(笑)。

で、見事コンペに勝って、実際の作業に取り掛かり完成までのそのやりとり中には、大手〜中堅ならではのメンドくささ、小回りの効かなさ、無意味と思われる手間暇もより多くあるもんで、それをこなしつつ納品日までに完璧な状態に持っていかなくてはならない…

なので、先に述べた『その期限までに最低限、トラブルの元になりそうなことは確実にクリアしておき、70%くらい出来上がっていれば納品日に公開しちゃっても構わない…』なんて理屈は通るわけないですねw アホかと。

そんなクライアント相手なら、もうおっしゃる通り、期限までにがんばってやり尽くして納品してしまった方がいいに決まってる!となります。

納期に間に合わせる *PAKUTASOからお借りしました。

それにwebは納品してからスタートなんて言ってたら、いつが完成かわからなくなる、ひいてはいつ請求書を出していいのか、いつまでこの見積り額でやらされることになるんだ…と、なるだけ早めに納品してしまった方がいいことになるわけです。

大事にコツコツと作り上げて行きたいもんです

もう大手相手の仕事はしないしどうせお声も掛からないだろうから、関係ないのだろうけど、大手のことは一般ユーザーとしてどこで接点があるかわからず、自分もモノの弾みで問題あるナントカPay使っちゃってたら被害受けたかもしれない。

まぁそこの話ではなく、webに関しては公開した後は、二人三脚で常に良い関係、状態でweb運営できる会社さんとやっていきたいし、そのためには一旦納品してから運営しながらずっと調整しつつ末長くという条件が求められないと、難しかったりするもんなのです。