熱帯低気圧、温帯低気圧、台風との違い

前回『台風の仕組みを知っておく。夏と秋の予定はコイツ次第。』というのを書いたので、まだまだ台風が発生する季節のうちに書いておこうと。

台風の衛星写真

まずは熱帯低気圧

台風はこれが発生してから出来るものですが、『熱帯低気圧』でググってみると、

熱帯低気圧(ねったいていきあつ、英語: tropical cyclone)は、熱帯から亜熱帯の海洋上で発生する低気圧のことである。

とwikiの説明が。

これを読み進めて行くと

  • 暖気(暖気核)のみで構成される。このため、前線を伴わない。
  • 潜熱(水蒸気が水滴(雨)に変わる過程で発生する熱)をエネルギー源として発達する。このため、水温が高い熱帯の海洋上で発生し、水温が低い海域や蒸発の乏しい陸上に移動すると勢力が衰える。
  • 天気図上では等圧線がきれいな同心円状に分布する。このため、同心円で無い他の低気圧に比べて最大風速が増しやすい。また、風速分布も同心円に近く、目のすぐ外側で最大となる。
  • 対流圏下層から上層まで広い層で低圧部となる。
  • ということだけど、ちょっと専門的な感じで、さっと理解できない…前回のブログで作ったイラストをもう一度。

    台風のできるまでの図

    海面水温が26℃になると上昇気流が発生しやすくなって、小さな積乱雲が取り込まれて大きな積乱雲になっていく。その過程で水蒸気は水滴(雨)になる時に熱(潜熱)が発生し、それがさらに周りの空気の温度を上げることになり、より積乱雲は大きくなって出来る低気圧が熱帯低気圧。(ほとんど前のブログと同じ説明w)

    それが風速が17m/sを超えると台風となり、やがて日本に近づいて来ます。

    で、台風が日本海を抜けた頃によく天気予報とかで見たいり聞いたりするものに「台風は温帯低気圧に変わる見込みです」といった表現。

    温帯低気圧とは?

    これもググってみると、wikiからの引用でこう説明が。

    温帯低気圧(おんたいていきあつ、英語:extratropical cyclone、mid-latitude cyclone)は相対的に軽い暖気が上方へ、重い寒気が下方へと移動する際に解放される位置エネルギーによって発達する低気圧のことである。

    やっぱりなんかよくわからない…

    台風が温帯低気圧に変わると言われると、台風という大変な状況から脱するという印象を受けます。やっと温帯低気圧に変わってくれたか!やれやれってなもんですが、状況が好転したという意味ではない!ってことがホントのところのようです。だから安心するにはまだ早いってことです。

    台風が北へと向かうということは、海面水温も下がってくるので、熱帯低気圧が出来る時みたいに潜熱(水蒸気が水滴(雨)に変わる過程で発生する熱)も発生しにくくなるし、北へ向かうわけだから、気温も低くなっていきます。冷たい空気と元の暖かい空気が混じる、入れ替わることで台風は温帯低気圧に変わって行くということかと。

    熱帯低気圧になくて温帯低気圧にあるものが『前線』です。前線とは冷たい空気と暖かい空気が接する場所のことなので、熱帯低気圧には前線がないことになります。

    なので、台風が温帯低気圧に変わる時は、前線が発生する、冷たい空気と元の暖かい空気が混じり入れ替わるので、その際に強風が吹くことになる。だから温帯低気圧に変わったからと言って安心はまだできませんということのようです。

    『前線』についてはよく聞く寒冷前線の他、温帯前線、停滞前線、閉塞前線と4つあるようです。

    これらについてはまた別の機会にでも。