カラーユニバーサルデザイン、色覚についての初歩的なおさらい

東京地方、本日も冷え冷えとした日ですが、桜は満開絶頂の日を迎えております。全てを投げ出し桜の木の下でビールを飲みに行きたいのは山々ですが今回もそんなわけには行きません。
嗚呼年度末突貫工事的集中依頼感謝有ルヨ!

さて、ユニバーサルデザインなんていう大きなお題に手を出してしまったわけですが、前出の『ロン・メイスの7原則』の通り、誰にでもやさしくカンタンであるべきという目標であります。デザインと言ってもいろいろあって、自分が関わっているのは主に見たり読んだりしてもらうもの(紙・web・映像)をデザインする分野です。その分野に関わるところで『色』に関して、カラーユニバーサルデザインという考え方がありまして、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)というのも存在します。

前回のブログでユニバーサルデザインが気になったきっかけのひとつとして、同世代人の目が老眼になって来たという現実的なやれやれ問題に直面しつつあるということがあったのでした。まぁそれは必要なら老眼鏡というもので矯正は可能で、お互い年取りましたなぁ〜ワハハワハハで済んだりするもんですが、色弱、色盲、色覚異常、色覚障害と言われる障害に関して、ちょっと意識が低かったなぁと思ったわけです。なので、これを機に人の色覚について基本的なところをおさらいしておこうと思いました。

CUDOのサイトによると、色覚というのは単一のものでなく多くの色覚型というのがあって、色の見え方は誰1人同じというわけではない。としております。自分が小学生、中学生のころ色盲検査といっていたと記憶してますが、まずこの色盲という言葉は差別用語として今では控える方向にあるようです。ここらへんの呼称については様々な議論があるようです。

色の見え方は誰1人同じというわけではない。ということであれば、そもそも何を持って色覚“障害”なのか、ということになりますねぇ。印刷物を作る身としては色校正でえらい微妙な色味について、もう少し濃くとか鮮やかになんて曖昧っちゃ曖昧な表現で赤入れしてきたわけですが、それはかつて色覚検査で問題なしと言われた自分を含めその人たちのみ基準の話だったとも言えるわけです。

CUDOによるとこんな記述がありました。引用させていただきます。

「色弱者」は、色覚異常・色盲・色弱・色覚障害・色覚特性などとも呼ばれており、日本では、男性の約20人に1人、女性の約500人に1人、日本全体では320万人以上いるとされています。これに後天的な色覚の変化を合わせると約500万人という数になります。

日本で男性の約20人に1人って結構な割合ではないかと。色覚型としてはC型、P型、D型、T型、A型と5つあって、その500万人の内、日本人男性の約95%、女性の99%以上がC型に含まれるとのことです。色覚のタイプについてはこちら

以下、色の見え方の違いの一例ですが、こうも違ってしまっているというのは改めて驚きだ。ってその見え方はいろんな見え方のうちのひとつだってことですが…。(アドビさんのサイトから写真見本お借りします。ダメだったら言ってください)
色の見え方の違い

色覚タイプ別シミュレーションについてというページがありますのでこちらでいろんな状況での色の見え方がシミュレーションされています。

そして我々デザイン制作に関わる者向けに、色覚の多様性に配慮した案内・サイン・図表等用のカラーユニバーサルデザイン推奨配色セット(バリアフリーに配慮した見分けやすい色の組み合わせ)という研究成果を利用出来るようにしていただいてました。以下リンク先の一部画像です。

バリアフリーカラー設定表

実際、なかなかこの指針に沿ってのみ仕事を進めるのは難しいのかもしれないけど、改めてこの辺の配色も勉強して自分のデザインに多少なりとも反映していければと思います。ハイ。

カラープリンターも安価で各家庭に普及し、携帯デバイスもカラーが当たり前。色によるナビゲーションということも普段仕事で考えるわけだけど、もう1段2段上の意識を持っておかないと…だなぁ。まだまだ未熟者でありました。

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